Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

Lisez 松のや露八 (まつのやろはち) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 597 caractères · 253 écrans

Aozora Bunko

二

「露八先生、どうだね」

「五両くれますか」

「やるとも」

無造作に、射あてたので、斧四郎はただ取りを喰ったような顔をした。そして今度は、

「おい露八、向うへ行く十八、九の結綿に結った娘の髷に射あてたら、今の十倍――五十両遣るが、あたるまいな」

「ほんとに、五十両出しますか」

「その代り、あたらなかったら、今の五両、返すのだよ」

「よろしい」

お喜代は、側から、

「そんなこと、あぶないから、およしなさいよ」

と、止めたが、露八は矢を入れて、樹の蔭から、ふッ――と吹いてしまった。

二

「あッ」

斧四郎も、お喜代も、突きとばされた。芸妓たちは、八方へ逃げた。

その中を、

「おのれッ」

二人の浪士が、鐺を上げて、疾風を切る猪みたいに、追いかけていた。一人の浪士の着物の襟に、赤い吹矢が、突き刺さっていた。

「しくじった!」

露八は、韋駄天だった。煮込屋の葭簀に躓いて、樽みたいに、転がった。神馬小屋の後ろへ、隠れこんだ。だが、すぐ見つかってしまった。浪士の腕は、まるで、鉄の感じがした。

「出ろッ。――貴様は何者だ」

襟がみを掴んで、ずるずると、引き摺り出すと、鬘が落ちて、露八は、坊主だった。