Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

Lisez 松のや露八 (まつのやろはち) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 597 caractères · 253 écrans

Aozora Bunko

二

二

ゆうべは、二階の四畳半で、どたんばたん、呶鳴り声がしたり、すすり泣きが聞こえたり、だいぶ厄介事と階下で案じていたら、朝、ふさ楊枝を咥えて下りてきた露八は、このごろ、やっと結えるくらいに伸びた頭の毛を撫でながら、

「あ。いい天気だ」

いつもなら、風呂桶の側へくるのに、そこに老婆がいると、てれた顔をして、裏の井戸端へ出て行った。

「露八さん、今朝は、遅いね」

物置の中から、亭主がいった。

露八は、顔をあかくして、

「へい、昨晩は、どうも……」

「奢んなさい。おやすくないぜ」

「へへへへ。奢りましょうよ、ああ、つつぬけに聞こえちゃあ、しようがねえ」

「江戸から来なすったらしいが」

「そうでさ。……弱ッちゃいやすよ」

「でも、ありますまい」

「もう、いじめないで、おくんなさい」

「したが、よく分かったね」

「なあにね、木屋町に、妹と妹の旦那ってえのが、昨年から泊まってるんで、それが、手紙でもやったか、訪ねて行ったかしたらしいんでさ。実あ、あっしもつい先ごろ、妹の旦那たあ知らずに呼びこまれてね、ひどく間のわるい思いをしましたのさ」

「ははあ、それでお前さん、ここしばらく、稼業に出ないんだね」