Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

Lisez 松のや露八 (まつのやろはち) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 597 caractères · 253 écrans

Aozora Bunko

――それと、薄汚い盲目染の脚絆か何かを、抓んで、

「負けておけ」

と五十文か、百文を、争っている様子である。

古着屋は客の風采を見て、

「旦那、お立派なお侍様で、幾値がとこでもありませんぜ。そんな、阿漕なことをいわないで、買っておくんなさい。口開けだ」

訴えていた。

庄次郎は、側を通って、

(あんな物を買って、渋沢は、何にするつもりだろう?)

思わず、足をとめたが、気がつくと、その渋沢には、昨日、財布ぐるみ四十両かの金を借りてある。他人の物に、惜し気もなく、悪友どもは、一夕に費いちらしてしまったが、あの金は、まさしく自分の借金だ。古着を買うのに、五十文か百文のビタ銭を争っている渋沢だから、顔を見たら、催促するにちがいない。もし返済せないと云ったら、藩邸へ告げるだろう。

(これは、まずい)

庄次郎は、慌てて大股に歩きだした。橋をこえても、まだ急いでいた。

「もし……。土肥様、そんな方じゃありませんよ」

お蔦は、追いかけて来て、

「どこまでいらっしゃるおつもり?」

と笑った。

「あ。……そうか」

「下谷の三枚橋。俗に、どんどん橋とも云いますね」

御徒士の屋敷だの、寺だのが、混みあっている町中の狭い忍川のふちを曲がって、