Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

Lisez 松のや露八 (まつのやろはち) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 597 caractères · 253 écrans

Aozora Bunko

「渋沢という奴、若いが、なるほど、ちょっと話せるな」

「俺は、虫がすかん」

「百姓だ。田舎で、藍玉売りをやっていたそうな、武士のくせに、腰が低うて」

「土肥、さっきの財布、見せろ。いくらある。どうせ、天保銭か、台場銭の端ただろうが、飲むに都合がある」

庄次郎が、そのまま、渡すと、

「あっ」

開けて見た四、五人の眼が、息をのんで、

「……だいぶある」

呻いた。

小判で、四、五十両の金を見ると、貧乏藩士の子弟は、ちょっと、酒が醒めてしまった。

「ははあ、読めた」

一人が、急に、気が大きくなったように云った。

「――渋沢の奴、何でも、田舎でがらにもない皇学を囓ったり、また、それを、流行ものの、勤王運動とやらの実行に移そうとして、八州に嗅ぎつけられ、それで、ご当家の、平岡円四郎殿へ、縁故をもって縋って、隠れているのだという風評がある、――これあ、如才なく、吾々に、渡りをつけて来たのだろう」

「すると、匿い料か」

「ま、そうと、俺は見る」

「じゃ、ありったけ、飲んでもいいな」

「飲みきれるものか」

「何、これだけの頭数で、費いきれんでどうする、辰巳へゆこう」

それから、はしゃぎ出したのである。