Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lisez 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 260 caractères · 418 écrans
五
「ああ、解らない。……それにしても、悦之進どのは?」
寝がえりを打った時、戸外にはもう鶯の声がしていた。
五
「すこしでも寝ておかねば」
と、あすの勤めを思って、文八はそれから強いて眼をふさいだ。
とろりと、したかしないか、と思ううちに、はや戸を繰る音が玄関でする。
「……老公のお目ざめ」
かれは、がばと起きた。
いつもなら悦之進が、もうお側に侍して、何かと、世話しているのであるが、けさはその悦之進がまだ帰っていない。
あわただしく、身じまいをととのえて、お座の間へ行ってみた。
老公のすがたはない。
いちばん奥の端の――三畳間へ伺ってみた。お学問所である。
「たれじゃ」
ふすまの音に、老公はふり向いていう。そこにおられたのである。
「文八にございます」
手をつかえると、そうかといったのみで、机のうえで、何か書きつづけていた。――渡辺悦之進はまだ帰らぬのか――文八は訊かれることを待っていたが、
「はやいのう、昨夜はおそかったのに。……他の者はなお寝かしておけよ」
老公は、そういっただけであった。
「ありがとう存じまする。……なにか、ご用を仰せつけください。悦之進どのも、まだもどりませぬから」