Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lisez 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 260 caractères · 418 écrans

Aozora Bunko

七

少々、おもしろくない顔色はしていたが、まさかと思っているまに、為は浪人者のまえへ歩いて行って、

「この味噌ッ糠めっ」

大きな掌のひらで、彼の横顔を張り仆した。

半分の顔を、両手で大げさにかかえて、

「ア痛っ。――おのれ、なにをいたした」

「撲られているくせに、何をされたか、わからねえのか」

「よ、よくも」

抜く手がのろいので、そのすきに、もう一つ、ぱんと喰らわせて、

「正成公を、知らねえのはまだ我慢もできるが、知らねえくせに、与太をとばすのも程にしやがれっ。さむらいのくせにしやがって――この生れぞこないめ」

そしてすばやく、連れをふりかえるやいなや、

「勘太っ。それ、逃げろ」

と、駈けだした。

七

痩せてもかれても、さむらいはさむらい。浪人者は、

「こやつ」

と、赫怒して、追いかけた。

旅の者、土地の者たちは、

「あぶないっ」

と、どっちへ組すともつかず、声を放ちあった。

抜いたからである。

そしてその白い刃ものが、為のうしろへ届きそうに見えたからであった。

為は、とたんに、草むらの中へ、横ッとびに走りこんだ。

篠に絡んでいる芋のつるに、為はすぐ足をとられて、ころんでしまった。