Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lisez 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 260 caractères · 418 écrans

Aozora Bunko

二

「勘太、行ってみようか」

「どこへですか」

「ちょうちん風呂とかへ」

「湯女のいるとこですか。真っ平です」

「おまえはまだ、そういう所へ足ぶみするのは、恐いとみえるな」

「何しろ、性根を入れ替えてから一年にもならないので、どうも自分でもまだ自分に保証がつきません。絃の音を聞き、白粉を嗅いで、ふらふらと、元の勘太に返っちまったりしたら――ああ思い出してもぞっとする」

「ははは。弱いやつ」

「旦那、おひとりで、見ておいでなさい」

「然らば、わしはひとりで行って来る。そちはただの銭湯に行くか」

介三郎にとっては、どっちへ入っても同じことらしい。何のこだわりもなく、色めいた町のほうへ曲がって行った。

二

「ああなりたいものだなあ」

勘太は、介三郎の影を、見送っていた。

「――もし、やましい気もちがあれば、ああいう風に、あっさりと湯女のいる風呂屋の軒などは潜れないはず。あの人には、どこへ自分を置こうと自分は惑わないという信念があるとみえる」

羨ましげな面もちでさえあった。そして、かれは反対なほうへ、黙々とあるいた。夜風に手拭をぶら下げて。

見附のわきまでゆくと、まっ黒に人がたかっていた。