Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lisez 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 260 caractères · 418 écrans

Aozora Bunko

三

なかったかもしれません。……それが、旦那のおはなしを伺って、楠木正成公というお方、またその御夫人や、お子たちや、ご一族などの――なんといったらいいか、ご忠義のほどを知ってみると、その日からですよ。鑿にはいる力までちがって来たんでさ。ごま化して、儲けようなんて、考えても、身ぶるいが出るようになってしまいました。てまえばかりじゃございません、ここへ来て働く下職まで、みんな人間が変ってしまうから怖ろしいものですよ。……身は石屋だし、手には鑿を持っているが、おなじ御旗の下にいる兵士のような気になりましてね。……だから正成公はまだ、どうしても、この国に生きているっていう気がしてなりませんが、旦那、どんなものでしょう」

三

「そうとも」

介三郎は大きく頷いて見せた。

「正成公ばかりではない。――古人はすべて死んでいない」

「……へえ、そうでしょうか」

石屋の権三郎はまた分らなくなった。

楠木正成にたいしては、彼も十分にそれが理解できたが――古人と、ひろくいわれると、解せないことになって来た。

介三郎は噛んでふくめるように、

「たとえばだよ、おまえの宗旨は法華だそうだが、おまえが艱難に克とうとするときは、日蓮のつよい意志を思い出して、自分の意志を励まそうとするだろう」