Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lisez 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 260 caractères · 418 écrans

Aozora Bunko

三

なんと、それが、水戸のご隠居さまじゃあねえか……」

何を訴えようとしているのか、初めはよく分らなかったが、やがてかれが、水戸の城下に近い那珂川の生れで、那珂川の勘太というお菰だったことだの、上菓子を買いに行って、そこの菓子屋の主に手強く断られたときのことなど、つぶさに語って来ると、人々も初めて、かれがそのときの恥に発奮して、人なみに上菓子の喰える人間になろうと志した発奮の動機を、いまのすがたに照しあわせて、ようやく、酌みとることができた。

三

勘太の前身を聞いて、みな意外な顔していた。

また、かれが甦生に奮起した動機を聞いて、自分の中にも、その力はあると、何か急に、立ち上がりたいような気もちに襲われていた。

驚いたのは、佐々介三郎である。つかつかと勘太のそばへ歩み寄って、

「さては、おまえは水戸の者だったか」

「ご領民でございます。水戸のお名を汚すような」

「いやいや、前身は知らぬが、わしが知ってからのおまえは、見上げたものだ。何ぞ、身の上に仔細のある者とは疑っていたが」

「菓子屋の軒から。――ようし、いまにきっと、ここの店へ、上菓子を買いに来て、亭主に手をつかせてみせるぞ――と、そう心に誓った日から、そのままご城下を去って、あちこち、地道な働き口をさがしておりました。