Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lisez 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 260 caractères · 418 écrans

Aozora Bunko

春雷

一

「これは、畑で出来たことしのお初物でございまする。どうぞ、老公さまにさしあげて下さいませ」

と、厨へ置いてゆくのもあるし、

「きょうは、お蔭さまで、うちの馬が仔を産みましたで、少しばかり草餅を製りました。お口にあいませぬが、お慰みにもと、少しばかり持って参りましたで」

と、取次ぎを仰ぐ者もある。

初ものや四季のめずらしい物。祭や盆や正月の行事など、何かにつけて、百姓たちは、神棚や仏壇へ上げるのと共に、西山荘へも持って来て、取次ぎの者からたった一言でも、

「およろこびであったぞ」

とか、また、

「珍しいと仰せられていた」

とか聞くのを、無上の楽しみとも歓びともしている風であったが、この四、五日は特に、かれらのうちでも日頃ここへ見えない女子供や老人までが、訪れて、

「――ありがとうござりました。おかげ様でこの通り達者になりました。きっと精出して働きます」

と、ある者は、老公のいる住居のほうへ向って、門前に額ずいたまま立ち帰る者もあった。

一把の野菜、一苞の山芋でも、家臣は老公の前に披露した。

老公もその献物にたいして、かならず心もち頭を下げ、

「ありがとう」

の意を示すのが常であった。