Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lisez 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 260 caractères · 418 écrans

Aozora Bunko

十九

また時には度の過ぎるほど目をかけて来た家臣はない。とはいえ、光圀が恩ぞとはいわぬ。それあるは偏えに、そち自身が、他の持たぬ経営の才をもち、ひと優れて有能な生れ性なるがゆえにである。――一寺小僧からわしの小姓となり、やがて、二、三百石の士分より千八百石を給され、今日、当主の輔佐に任ぜられて、水戸一藩の切りまわしを、その双肩に担うようになったのも、みなそちの天質と働きによるところではあるが、じゃ……紋太夫」

と、いよいよやさしく、

「ひとは誰でも、順調に狎れると、むかしを忘れ、いまに思い上がるもの。そちばかりではない、有能の士、才腕の士、みな過るところは、ひとつ石に躓くのじゃ。いまは藩内政外務ともに、このうるさい隠居のさし出口もないことゆえ、ほとんど衆みなその方の威権に慴伏し、あえてその非を鳴らす者もなかろうが、かかる時こそ、そち自身は、一そう慎まねばなるまいぞ」

「……はい」

「媚びる者に惑わさるるなよ。駁す者を敵視するなよ。おそらくそちの意志ではなく、無根の風説とわしは信じておるが、柳沢吉保に頤使されて、諸方に奔走するなどといううわさも聞く。また、そちの仕えまいらす当主の世子吉孚を、病弱にて、世嗣はなり難しなどと、吉保をもって柳営にいわしめ、他より養子を迎えておのれの功となし、水戸一藩を気ままにせん下心なりなど