Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lisez 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 260 caractères · 418 écrans
十二
「……あっ。ヤ、ヤ、あのけだもの」
どうも気を散らすのは、いつでも為が先であった。為はまた頓狂な声でどなった。
「野郎、こっちを向いて、尿をしていやがる。――佐々の旦那、もうなんぼ何でも、堪忍はできますまい。注連を張って、おれたちは仕事をしているってえのに、犬のような」
「為っ、うるさい、黙って仕事せい!」
介三郎はめずらしく、為のおしゃべりを、一喝して、あやうくまた躁ぎかけた一同の気をさきに圧えた。
十二
何をやっても怒らない――いや怒れない弱虫と、あまく見たにちがいない。
三人ぐみの浪人者は、それからというもの、毎日のように大手を振って、そこの街道を往来した。
時には、遊び人ていの男を交じえて、生田あたりの怪しげな女などを連れ、真昼なかを人もなげにふざけちらして歩いたりする。
見るな、聞くな、いうな。
介三郎からそう固く封じられている職人たちは、歯がみをして、ただ仕事に精をそそいでいた。
碑の壇石は敷かれた。
九月に入っては、墓山のまわりを、毎日、土叩きしてかため、碑のまわりに神垣を結びはじめた。
十月には、碑の裏面に彫る「楠公賛」の文が、筆者の岡村元春からとどいたので、石屋の権三郎親方は、新たに京都からよんだ六人の石工を督して、それを注連小屋のうちで、彫りにかからせた。