Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lisez 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 260 caractères · 418 écrans

Aozora Bunko

「あれでよかろう。木賃らしいが、土間に腰かけておる老爺の老爺ぶりがよい」

浅草門から横へはいった裏町であるが、片側は柳や桐の火よけ地で、江戸の中だが田舎びている。家は小さく、客もすくない。二人はそこに草鞋を解いた。

「旦那。断っておくのを忘れたが、風呂はないよ」

老爺ぶりがよいと、介三郎が特に認めたその老爺が来て――せむしのように腰の曲っているせいか坐りもせず、片手のきせるをうしろに当てたまま縁側から不愛想にいう。

「なに、風呂がない。野天風呂もないのか」

「風呂桶を繕しにやったで」

「それは」

と、軽い失望をもらすと、老爺はきせるを往来の方へさして、

「なに、すぐそこまで出れば、銭湯はいくらもある。安いのなら見附のわきへ行きなさい。太平記読の小屋と並んで『ゆ』という看板が出ておるし、もっと贅沢に、湯よりも遊ぼうというつもりなら、神田のほうへ向いて、ぶらぶら行ってごらん。丁字風呂だの、何風呂だのと、いろいろある。白壁みたいな顔した女どもが唄っていたり、蒟蒻みたいな男が出たり這入ったりしているのですぐ知れるよ」

食後。まだ宵のころ。

ふたりは手拭を持って、往来へ出て行った。