Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lisez 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 260 caractères · 418 écrans
あとで、なにげなく、封をひらいてみると、燦然たる黄金の板があらわれた。こんな金をかれは眼に見たのも初めてである。仰天して、所の代官所へ訴え出た。
「弥作。そちは何と見たか、勿体なくも、そちの茅屋をおのぞき遊ばしたのは、西山のご隠居さまじゃ。黄門さまでいらせられる。……そのお帰りに、わざわざ役所まで馬上お立ち寄り遊ばされ、なるほど、愚鈍そうな正直者、与えた金子も、人に欺かれて取られてしまう惧れがある。役所において、田畑を買わせ、この上孝養のできるよう、懇切に見てつかわすがよい――と、後々のお心づかいまで仰せつかれて、お帰りになられた。……いまも同役どもと、うわさを申し上げていたところ、そちは、何という果報者か」
弥作は聞くと、声をあげて、泣き出した。そして、西山の方角へ向って、顔に土がつくばかり何度も何度もお辞儀をしていた。
老公も、帰ったあとで、
「きょうは人中の人を見た。一世を率いる宰相も国の宝だが、一畝の田を守るかれの如きもひとしく土の宝じゃ。愚鈍はまま神にも近い」
と、いかにもその日は、老公までが楽しげであったという。
四
自身、農屋を訪れて、貧しいものを見舞ってやるなどという例は、老公としては、決してめずらしいことでない。