Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lisez 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 260 caractères · 418 écrans

Aozora Bunko

四

那珂郡の山形村に、武右衛門という百姓がいた。両親は老い、また兄も盲目だったので、

「わしには、親が三人ある」

といって兄にもよく仕えていた。

かれの母は喘息持だった。老衰しているので、喘息がひどくなって、夜どおし苦しむと、痰を吐く気力もなかった。そんなときには、武右衛門が自分の口で、老母の痰を吸い取ってやるのが常であった。

母親が神まいりや寺詣でを望むと、かならず背なかに負って歩いた。かれの妻はまた盲の兄の手をひいて行くので、知らないものは兄の妻かと思うほど仲がよかった。

老公は、この家族の家へも、何の前触れなしにすがたを見せた。

そして炉ばたで、半刻も家族のものと話しこみ、後、藩主の綱条へ書を送って、褒賞あるよう促したということである。

与治右衛門という百姓にも似あわない極道者は、道楽のあげく、醜い片輪になってしまった。けれどもかれの妻が余りに貞節なので、与治右衛門も懺悔のなみだを流し、

「まだおまえは若いし、わしには子のできる望みもない。わしはやりたい放題をやった身だから、おまえが去っても決して恨みには思わない。どうか今のうち他へ縁づいてくれ」