Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lisez 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 260 caractères · 418 écrans
綱吉は好まないふうだったが、否みもならず、学問所へ行って着座した。
光圀も対して坐った。
そのきびしいすがたは、将軍家の高きに在りながら、綱吉の眼はよく正視することができなかった。
「…………」
黙然、頸をすこし垂れた。
光圀はいった。
「上様には、近頃だいぶ、このお学問所にも、ご着座がないとみえますな。梁には煤、柱には塵、なんとのう艶やかな気はいがない。洞然、光なく声なく道なき空洞に似ております。故あるかな、世上一般、また真実の光なく声なく、あるはただ、浅ましい快楽の明滅、淫風のすさび、欺瞞の唖、阿諛の声、吏民ともに廃頽にまかせ、自壊をいそぎ、滔々行くところも知らぬありさま……」
――嘆いて、なおいう。
「平常、あまり琴曲三絃の音ばかりにお親しみでも耳飽きましょう。稀によかろうと存じ、きょうは田爺光圀がいささかご学問をおすすめ申しあげる。江戸の俗でいう野暮とやらでおざろうがすこしお我慢なさい」
かれは、容をあらためて、大学の講義をしはじめた。綱吉はその長時間、ついに面をあげてひとみを和めることができなかった。
講義が終ると、光圀は、
「おそれながら、あなた様は、この天下をたれのものと思し召すか」