Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lisez 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 260 caractères · 418 écrans
四
四
門から遠く、彼方の梅畑の近くで、駕はとまった。
そのまに老公と若い人たちは、もとの席へもどり、もうそこの明りから談笑の声がもれて来る。――あとに残って、駕の客を待ちうけていたのは悦之進だけだった。
駕の灯はもとの闇へ帰って行く。――それと反対に、三つの人影は、西山荘の門へ近づいて来た。
「おお、惣左どのか」
悦之進から声をかけた。牧野惣左衛門は、何か重箱のような包みをかかえて入って来た。すぐそれを悦之進にわたし、
「これは、雪乃さまのお手土産だそうです。老公のおすきなおまんじゅう、ご披露ください」
と、用向だけをのべてすぐ身をよけた。
見ると、
惣左衛門の退いたうしろには、ふたりの美人がつつましやかに佇んでいた。
ひとりは、たしかにうら若い佳人だが、ひとりのほうは、もう齢にしたら六十にも近い老婆であった。それを美人といっては少し当らないようだが、老婆なるがゆえに美人といえないわけは決してない。
現にいま、悦之進のまえに、すこしすすんで、
「かねがね、惣左どのに仰せくだされて、こよい来い、会うてやるとの、老公さまのおことばに甘え、お約束の頃おいと、参じました者でございまする。