Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lisez 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 260 caractères · 418 écrans
又四郎ひとりかと思うていたら」
「いけませんか! 老公」
こんどは、喰ってかかっていう。
「いかにも、拙者は泣き虫です。けれど自分の事では泣いた例しはないつもりでござる。――親の死んだ時と、国を思う時だけだ」
すると、隅のほうで、
「やあ、始まったぞ、大村が。大村五郎八が、老公をつかまえてやりおるやりおる」
これは見ものと、一時はみな眼をそそいだが、酒の座の通例として、局部的な充血はゆるさない。
あっちでも何か爆笑する。こっちの壁のすみでも何か一問題沸騰している。こうなっては、政治にわたってはいけないとか、個人的な誹謗は慎みあうこととか、かねての会則などは、吹き飛んでしまっている。
もっとも、こうなって来たのは、近来の傾向で、その前には、だいぶ講中にも、正体のはっきりしないふた股武士が交じっていたが、徐々、そういうのが去って、選ばれた者だけになった今日では、もうそんな警戒や会則も要るまいというのが、みなの心理に何となく作用していた。
ところで、老公も、あえてそれを咎めず、むしろ共に興じて、
「ほ、ほう。……親の死んだ時と、国を思う時だけは泣くか。さてさて不忠不孝なもの」