Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lisez 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 260 caractères · 418 écrans

Aozora Bunko

四

林助はくやしがって、馬上の人の白髯へ、戯れかかるようにいった。

四

「なんじゃ、問うてみい」

「ほかでもありませんが、ただ今も、西山荘をお出ましの折、老公には、召される馬にむかって――ひとつご苦労を頼もうかなどと、挨拶をして、鞍へお手をかけられました」

「ウム。そのことか」

「ひとの背なかへ乗るなら知らぬこと、馬へご挨拶をなさるには及ぶまいと存じられますが」

「そうかな」

「違いましょうか。わたくしの抱く不審は」

「ちがうと思う」

馬は黙々と老公をのせて弛い坂をのぼり坂を降ってゆく。主従の問答を馬耳東風とよそに歩いているふうだった。

里近くなると、田や畑に働いている人影は、遠く老公のすがたを見る者も、近く行き交う老若も、みなあわてて土下座した。――老公はいちいち馬の背から、

「よいお日和」

と、土民同士でする会釈を、同じように気軽に撒いて通った。

「どう違いましょうか」

林助が追求すると、老公は微笑をおさえて、すこし真面目になった。

「わからんか。なんのために日ごろわしと共に百姓しておるか。――わしははや官職を退いて、公には何の益もなさぬ閑人にすぎぬ。その閑人が、わずか五里の城下へまいるに、馬の労を費やしては、勿体ないではないか。