Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しぶえちゅうさい
渋江抽斎
Lisez 渋江抽斎 (しぶえちゅうさい) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 166 525 caractères · 334 écrans
その六十八
そして成善が近習小姓を仰付けられる少し前に、二十歳で信順の中小姓になったのである。
文一郎は頗る姿貌があって、心自らこれを恃んでいた。当時吉原の狎妓の許に足繁く通って、遂に夫婦の誓をした。或夜文一郎はふと醒めて、傍に臥している女を見ると、一眼を大きく開いて眠っている。常に美しいとばかり思っていた面貌の異様に変じたのに驚いて、肌に粟を生じたが、忽また魘夢に脅されているのではないかと疑って、急に身を起した。女が醒めてどうしたのかと問うた。文一郎が答はいまだ半ならざるに、女は満臉に紅を潮して、偏盲のために義眼を装っていることを告げた。そして涙を流しつつ、旧盟を破らずにいてくれと頼んだ。文一郎は陽にこれを諾して帰って、それきりこの女と絶ったそうである。
その六十八
わたくしは少時の文一郎を伝うるに、辞を費すことやや多きに至った。これは単に文一郎が穉い成善を扶掖したからではない。文一郎と渋江氏との関係は、後に漸く緊密になったからである。文一郎は成善の姉壻になったからである。文一郎さんは赤坂台町に現存している人ではあるが、恐くは自ら往事を談ずることを喜ばぬであろう。