Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans
そこの空地まで出ろ。出て来いっ」
「よしっ。死んでやる」
「な、なんだと」
「死ねっ、死ねっ、こんなもの!」と、かれは自分の体を振りもだえながら、ひとり歯がみを鳴らして――
「あってもなくッても、ゴミみたいな生命。そんなに欲しいかっ。――よウしっ、欲しくばくれてやる。待ッていろ」
二階へ駈け上がった。そして寝巻のうえに、丹前を着かさね、帯もぐるぐる巻に、大小をつかみ、まずその小刀を差し、大刀を次に差そうとしたが、もう全身に酔いがまわっていて、手もとも怪しく、刀のこじりが、帯に辷る、帯から外れる。
――が、その酔眼にも、ふと、金象嵌の鍔が、何か、ものいうように、キラと映った。ゴミのような生命でも、意識にかけられない生命でも、生命自身のいのちはあるにちがいない。それが、彼の酔眼を、大刀の鍔に吸いつけて離さない……。
その赤い眼は、すぐ熱湯のような涙を沸らせた。――この後藤祐乗の鍔は、子供のころよく聞かされた遠い祖先のもの語りもあり、父が生涯の愛品であった。それを兄の主殿がゆずられ、兄が又なきものとしていたのを、自分が、同族の忠右衛門の家へ養子に行くとき、ねんごろに、由来をかたり、兄のあたたかい気持をそえて、自分にくれたものである。