Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans

Aozora Bunko

北の鬼与力、佐藤剛蔵は、すぐさま現場へ駈けつけていたし、三十手のひとり倉橋剣助は、逸早く、現場附近から、逃げおくれた賊の一人らしい曲者を狩り出し、捕手をさしずして、江戸橋詰の木戸近くまで、その影を追いつめていた。

すると、どこかの袋路地で、捕手の声がわっと揚がった。獲物を捕ったどよめきにちがいない。――やがて、一かたまりの人影に囲まれた縄付が、番所の方へ引っ立てられて来るのが見えた。

「女だ。……女だった」

捕手たちは口々に、その意外さをいい交わしていた。黒衣黒覆面の賊のひとりは、自身番の明りの下にひきすえてみると、何と、年頃三十二、三の、抜けるばかり色の白い、そして眼に張りをもった、見るからに凄艶な年増女であった。

「ウーム、なるほど、女だ。……はてな、今夜の酷い手ぐちは、とても女の業じゃねえが、さてはほかの四人から逃げはぐれたな。よし」

と、同心の倉橋剣助は、大きくうなずいて、番太の由と庄七を呼び、

「この縄付を、自身番へ預けたぞ。しっかり見張っておけよ」と、いいつけた。

剣助は、捕手の二、三へ何かひそひそ耳打ちをした。女は他の同類の女房か情婦にちがいない。