Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans

Aozora Bunko

脱ぎすてると、彼女は、ただの堅々しい御寮人さまか、武家の奥さんという風の女としか見えない。

髪は、あっさりと結い、あられ小紋の着もの。

舟が寄って来るひまに、彼女は、きりりと、帯を直し、髪のほつれをなであげて、男まさりの――というよりは、何か、烈しい風雪と闘っている花のような、きかない眼と唇もとに、春の夜明けを、油断もなく、見まわしていた。

ああ、十数年の歳月は、あの夕顔の花のように弱々しくて、初心で、若い母でもあった水茶屋のお袖をして――こんなにも変らせていた。

そのお袖を、おっ母さんと呼ぶからには、自身番の庄七に、万字屋の色子、姉崎吉弥だといっていた若衆も、蔭間ではなく――お袖の実のむすめ、お燕であるにまちがいない。

数うれば、ちょうど、あの頃、母の乳ぶさによく泣いてばかりいた乳呑み児のお燕も、十六、七の娘ざかりとなっているはずである。

「どうしたい、お燕ちゃん。とても、おめえのおふくろが、心配しちまッてよ。――おかげで、おれ達も、仕事は上首尾に行ったものの、あと白浪と、逃げるに逃げられず、とんだ目に遭ッちまったぜ。……さ、乗んな。跳べるかい、そこから」