Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans

Aozora Bunko

待ってやれよ」

「どうしたい。阿能十」

「味噌久のやつが、田ン圃へ落ちてしまやがった。まっ暗で、引っ張り上げてやろうにも、見当がつかねえ」

「よくドジばかりふむ男だ。味噌久はかまわねえが、背負わせておいた御馳走は、まさか田ン圃へ撒いてしまやアしめえな」

べつな声が、闇の中で、

「ええ、ひでえことをいう。ふたりとも身軽なくせに。すこし荷物を代ってくれやい」

と、田の畦を、這い上がっているようだった。

大亀と阿能十は、おかしさやら、暗さやら、わけもなく笑いあって、

「まあ、そういうなよ。目ざす中野はもうすぐだ。辛抱しろ、辛抱しろ」

「だが、着物の裾をしぼらねえことにゃあ、どうにも、脛にベタついてあるけもしねえ」

「阿能。泣きベソがまた泣いていら。そこらで一ぷくやるとするか」

小高い雑木林の丘に、男たちは腰をおろした。

三人とも、二十歳から三十前。ふたりは、浪人風であり、ひとりは町人。そしてその味噌久だけが、何やら臭気のつよい包み物を首に背負っていた。真夜中、街道もあるのに、わざわざこんな闇を、この変な荷物をたずさえ、一体どこから来て、どこへ行くのか。これも時代の生んだ“分らない物づくし”のうちに入る巷の一組とでもいうのだろうか。