Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans
巣なし鳥
巣なし鳥
それを、左右太に、いつ打ち明けようかと、この間うちから悩んでいたが、姉のお島は、島破りという兇状持ちだけに、何事につけ、疑いぶかく、自分がちょっと他人と低声で話していても、ふと外へ用に出ても、すぐ目にかどを立てて、訊きほじる始末なので――ただ独り胸を傷めていたところでした――と、話すのでもあった。
「ああ、ここにもまた、一難が」
左右太は、ふたりの恋だけは、醜悪な世間の外に、小さな花野として、心に持ち合っていられるものと思っていたが――ここもまた、人間の罪悪と見惨めを見ない花野ではなくなったか――と、憮然としてしまった。
が、かれは、心のうちで、
(これは、お奉行のお立場や、義平太の苦しみなどとは、大いに、事情がちがう)
と、すぐ自信をもって、割りきっていた。恋人のお次にたいして、こういい断っても、決して、職分を裏切り、自己をあざむくものではないと思った。
「よしっ、分った。嘆くのは、むりもないが、おれとの約束を、水に流すなどと、狭い考えは、起さぬがいい。――何も、そなたには、罪もないこと」
「でも、奉行与力のあなたのお名に」
「障らば障れ、おれ自身には、後ろ暗いことは、何もない。