Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans

Aozora Bunko

逢わで此世を

二十日もたてば、十手風もきっと緩むとおれは見ている。どこか、そこらの、押入住居で我慢しよう。……たのむぜ、当分、おれのからだを」

かれは、のそのそ上がって来た。そして書斎のすみの戸棚をあけ、もうわが住み家と、そこへ、尻の方からもぐりこんだ。

逢わで此世を

大岡家の紋は、稲穂の輪だった。家祖が、稲荷の信仰者で、それに因んだものという。

そのせいか、赤坂のやしきの地内には、昔から豊川稲荷を勧請してあった。秋も末頃となり、木々の落葉がふるい落ちると、小さな祠が、小高い雑木の丘に、透いて見える。

丘の西裏から、一すじ、ほそい道がついていた。これは、聞きつたえた町の信心家が、いつとはなく踏みならしたお詣りの通い路で、地境の柵のやぶれも、やしきでは、塞ぐことなく、自然の腐朽にまかせてある。

「……まあ。いい気もちそうに、寝てしまって」

稲荷の祠と、背なか合せに、木洩れ陽を浴び、落葉をしいて、乳ぶさのうちに寝入った子を、俯しのぞいている若い母があった。

そっと、乳くびをもぎ離すと、乳のみ子の本能は、かえって、痛いほど吸いついて、音さえたてた。

「……もう、いや、いや。