Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans

Aozora Bunko

待伏せ談合

「いそげ。――ちと、時刻もおくれた」

途上、彼の声が、駕籠の足をいそがせていた。

濠端へ出た。水辺にけむる葉柳の上に、江戸城の天主の白壁が、駕籠の内からも透いて見える。

「あっ、待たれい。その駕籠」

突として、立ちふさがった武家がある。三人だった。ひとりは、藪田助八。あとの二人は、先頃来の白洲に、その都度、意地悪く傍聴に来ていた“横目の者”――公儀目付松平藤九郎、有馬源之丞の両配下の士だった。

待伏せ談合

その日、越前守は、例の江戸城内の人気ない吹上の深苑で、折入って、将軍家に拝謁を得たい――という旨を、前日から、願い出ていたのである。

吹上で、直々、将軍家に会うときは、いつも、御庭番の藪田助八ひとりが、特に、君側にいるのが例であった。

だが、そういう異例は、町奉行でも、彼以外にまで許されていることではない。

藪田助八の支配する伊賀、甲賀組の者。また、ごく特殊な場合の、公儀目付の者ぐらいに過ぎない。

しかし、越前守は、かつて将軍吉宗から特に、吹上の一亭に招かれた例がある。その時、吉宗は、いつでも、ここでそちの言を聞いてやろうと約した。もちろんその言葉の範囲は、直接、献言の必要ある場合か、何か非常の時に限っていることは、いうまでもない。