Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lisez 平の将門 (たいらのまさかど) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 232 193 caractères · 463 écrans

Aozora Bunko

――そういうものが、漠然と、かれの敬礼になり、かれの言葉つきまでを、ていねいにさせたのだった。

景行としては、小次郎の旅行を、はて、おかしいがと、すぐに、疑われたものがあったのである。良持の死後、豊田の館にはいりこんで、後見している三名の叔父たちが、なにを、意図しているか、察し難いことではない。殊に自分の上官ではあるが、大掾の平国香なる人物が、どんな性格かということは、吏務のうえからも、よく分っている。

「わしに出会って、おまえは、命びろいをしているのだぞ」

景行は、それとなく、小次郎にいいきかせ、菅生ノ牧まで連れて行って、そこでも、

「わしは、これから公用で、比企の庁へ行って、故郷へ帰るが、おまえは、良持どのの総領、殊に帝系の家の御子なのだから、身を、大事にせねばいかんよ。いいかね」

と、くれぐれも、諭した。

「ええ。……うん。……うん」

小次郎は、幾度も頷いた。だが、どの程度、呑みこめたのかは疑問である。彼と別れた翌日、ここの御厨の下司が、彼の持って来た栗毛の牝と、秘蔵のたね馬とを、契け合せると、小次郎は、我をわすれて眺め入り、終るまで、一語も発せず、満身を、血ぶくろみたいに、熱くして見入っていた。