Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
まつのやろはち
松のや露八
吉川 英治
Lisez 松のや露八 (まつのやろはち) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 597 caractères · 253 écrans
彼女が、笑ったのすら露八には意外だったのに、くの字形にしていた体を、ついと、側へ摺り寄せてきたのである。あわてて、むずかしい顔をもっとむずかしくしてみても何の効もなく、お蔦は、彼の膝へ手をかけて、
「驚いた?」
と、まるで、こうした感情を遊戯するように云う。
と――もう後は男にしゃべらせなかった。
「かんにんして下さい、え、あなた。腹の癒えるまで、わたしを打ってもかまわない、殺しても――ええ殺してもかまわない」
露八が、口をうごかしかけると、胸へ迫って、彼の肩を、揺すぶった。
「だけど、あなただって、よくないことがあるんだもの。妹のお喜代に、惚れてたでしょう。わたしゃあ、前から、ちゃんと知ってはいたけれど、じっと、胸で抑えていたんですよ。……だが、やっぱり女だから」
「ば、ばかを云え」
「だめ、わたしの眼は、そんな凡くらじゃありませんよ。だけど、よそう、私だって、あんなことしたのは、重々悪い。しみじみと、別れてから、分かった。……やっぱりあなたのことを忘れられないのだもの」
「よしてくれっ、うるせえ」
からむ手を、振り離して、
「去った女に、用はねえ、帰れっ」