Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
まつのやろはち
松のや露八
吉川 英治
Lisez 松のや露八 (まつのやろはち) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 597 caractères · 253 écrans
「そりゃあ、知ってたに、決まってまさね。あれほどな男だもの。そして、妹はあなたのことを、くそ味噌に悪くいうけれど、榊原はどうせ腐れ縁だ、なるものなら夫婦になれって、しみじみと、云ってくれたし」
「やっぱり、江戸者だ。……江戸にも、あのくらいな侍が、うんといてくれりゃあ……」
四ツ辻へ来た。
お蔦は、振り顧って、
「露八さん、そこで、方角はどっちへ行くの」
「そうだ、行く先の相談はまだしていなかったっけ。――どこでもいいや、人間の行く先に飯粒はくッ付いて来ら。……だが、斬ったの、斬られたの、攘夷の倒幕のと、かんぬき差しが、威張りちらしていねえところへ行こうじゃねえか。……江戸っ子が、そう肩身の狭くねえところへよ」
「じゃあ、思いきって、遠くへ――」
「よかろう」
「長崎でも」
碧空だし、陽もあたっているのに、街道から淀の方には、照り降り雨が、虹のようにこぼれていた。
稲荷裏
一
不二形に盛りあげた埋め火の白い灰には、灰掻きの目が正しく描いてあった。一かどの茶人の嗜みでもあるかのように、煤竹の炭籠に火箸はつつましく寄せてあるし、描板のうえには茶布巾がきちんと畳みつけてある。