Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

Lisez 松のや露八 (まつのやろはち) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 597 caractères · 253 écrans

Aozora Bunko

日本を背負って立とうという意気と、女に稼がせて、台所を這いずっている男と、どっちに惚れるといやあ、お前さんだって、私の心変りを、無理たあ思やしますまい」

「じゃあ……汝は、心がわりをしたと、自分から、云うのだな」

「わからないの? ……この間からの私の素ぶりでも」

「分かっちゃいたが、まさか、まさか、今度は……と思ったのが俺の間違いだった。よし、俺も男だ、相手を云え」

「云わない方が、お前さんの気がかるいでしょう」

「吐かせッ」

「どうする気」

「どうしてもいいから云えっ」

「奇兵隊の河合さんさ」

「今、送ってきた奴か」

露八は、白い横顔を睨みつけてふるえていた。お蔦は、二本めの燗徳利を銅壺から上げて、茶碗へ注いだ。

いっぱい注いだところを、露八は横から取って、一息に飲んでしまった。そして、立ち上がりながら云った。

「よしっ、俺にも、覚悟がある」

二階へ、とんとんと駈けあがって行く。すぐ脇差を持って降りて来たのである。そして、もいちどお蔦へ向かって、

「奇兵隊の河合という野郎だな」

念を押した。

土間へ降りて、草履を片足ずつはきながら、また云った。

「畜生、生かしちゃおけねえ」