Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
まつのやろはち
松のや露八
吉川 英治
Lisez 松のや露八 (まつのやろはち) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 597 caractères · 253 écrans
竹婦人
一
蚊帳を這いだして、
「往って来るよ」
「どこへです?」
「預け物を、取りにゆく。――もう、行きたくなくなったが、父上と叔父御には、見せねばならぬし」
陽ざかりだ。
小石川からのそのそと江戸の真ん中に出ると、もう七刻下がり。板新道の下水が、暑さに沸いていた。
「酔っぱらい奴が」
ゆうべの友達どもの悪戯が、そこへ来ると、恨めしくなった。昼間から、三味線の音がする町――白粉の女が見える狭い路地――何としても入りにくい。
「荻江節のお里という家だが……。もし藩邸の者にでも見つかると?」
何度も、路地口を、往ったり来たりしていたが、やがて思い切ったように、庄次郎の堂々と肥えた体が、きょときょと後ろを見ながら曲がって行った。
竹婦人
一
――ごしなん、荻江さと。
そこらの空気だけでも、書生侍の木綿のたもとには、白粉けが移る気がして、
「あ。ここだな」
小粋な細格子の中をのぞいたが、庄次郎は、気が怯んでしまって、少年の動悸に似たものが、顔へ、のぼってきた。
もいちど、その前で、汗を拭いていた。
稽古日とみえて、奥からは撥のたかい三味線がもれてくる。禁断の閾をまたぐような好奇心が、彼の勇気を衝いた。