Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

Lisez 松のや露八 (まつのやろはち) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 597 caractères · 253 écrans

Aozora Bunko

二

「私が、お連れしてあげるよ」

立って、もう、帯を締め直していた。

「いいよ、お喜代をやるから」

「だって、喜代ちゃんは、夕方の支度があるし、どうせ私は、出戻りの厄介女――それぐらいな用はしなければ……」

「してくれるはいいが、またあとで、姉さんに、当たられたら、恐いからね」

「働けば、ああいうし、何もしなければ、しないというし……」

「じゃ、お願い」

お里は、二階へ上がってしまった。

「喜代ちゃん、下駄を貸しておくれ。私の……もうはけないから」

お喜代は、自分の下駄を貸すのが嫌だった。聞こえないふりをしていた。

「嫌なの!」

甲高く云われて、

「出ていますよ――そこに」

二

なるべく、離れて歩こうとしても、お蔦はぴったりと寄って歩いた。

そして、いろいろ、問わず語りに聞かせるのだった。

自分たち姉妹三人が、みんな不倖せだというようなことから――始まって。

父は、二世荻江露友といって、江戸唄の豊後節からわかれたこの流派では、名人だったが、安政の大地震で、亡くなるし、母もないし、男の兄弟は、やくざで、一人は兇状を食らって、遠島にいっている――などということまで、隠さないのである。