Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

Lisez 松のや露八 (まつのやろはち) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 597 caractères · 253 écrans

Aozora Bunko

蓮根

一

しかしその中に、お蔦は見出されなかった。

「やあ、土肥の伜じゃねえか」

ひょいと見ると、渡舟を降りる客の中に、眼ッかちと、禿安の顔があった。ほかにも、闘鶏師の仲間がいるらしい。あいつだ、と指さして、土手を駈け上がってきた。

蓮根

一

「見つけたっ」

闘鶏師の仲間は四人だった。

逃げようにも三囲の土手で見通しである。あっとまごついている間に庄次郎は取り巻かれていた。しかし、とにかく相手を侍と見て、彼らもにわかに飛びついてくるような喧嘩下手はやらない。皮を剥くように二の腕の刺青をたくし上げて、

「野郎っ」

ふくんだ底力でまず姿勢を揃えたうちの一人が云う。どれもこれも商売がら軍鶏に似て鋭い眼つきをしている。殺気はそれだけでも十分に庄次郎の胆を寒からしめた。庄次郎は、どうしようかと思った。

「やい、俺たちの面を、まさか忘れやしめえな」

突き出した禿安の顔へ、庄次郎は蒼ざめたかぶりを振った。

「知らん。何か……人違いだろう」

「ふざけるなッ!」

と云う声は横から来た拳と一緒だった。庄次郎の鬢を外れて前へのめッて行く。その腰ぐるまを無意識に彼の足が蹴飛ばした。

どぼん――と河の中から今の男が土手へ飛沫を送って、不覚な声を泡と一緒に揚げていた。