Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lisez 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 260 caractères · 418 écrans

Aozora Bunko

終って、各が順に、御榊をささげる。神酒をいただく。

「お礼申します。土地の方々、職方一同、おかげで目出度う出来た。ひとえに神助、また、みんなのおかげだ。かさねて、お礼をいう」

その日、佐々介三郎は、つねとは違って、新しい旅支度でここへ来ていた。祭がすむとともに、ここからすぐ水戸の西山荘へ帰るべく、一切の準備をすましていたのである。

かれが、改まって、そう挨拶をしたので、はや出立かと、

「もうお別れでございますか」

「まことに、お名残り惜しいことで」

などと交に、かれの前には、別辞をのべる者が立った。

「旦那、ちょっとお待ち下さい。――いつぞや頂戴した酒代で、実はきょう、みんなと相談の上、蜜柑と切餅を買って来ました。碑のできた慶びと、祭の祝いに、見物に来た女子供に、それを撒いてやろうと思いますが」

花隈の熊と、その子分がいった。

八百屋籠にはいった蜜柑、空箱に入れた切餅などが、そこに山と積まれた。介三郎は、かれらの性根から、きょうの麗らかな春の日にも勝るような光がさしているのを見た。

「やあ、ありがとう。では、わしも撒いて行こうか」

「みなさんも手伝っておくんなさい」