Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lisez 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 260 caractères · 418 écrans

Aozora Bunko

何不自由ない身分にありながら」

「いや、あの方には、そういうご思慮はとんとありません。何を仰っしゃるにも、大義と国体です。権現さまの幾多のお子お孫たちのうちにも、たったひと方、とんでもない変り種をおのこしになった――と申すしかございません」

「何しても物騒な人物。この上とも要心に如くはない」

吉保はそろそろ寝所を思うて、杉山検校の療治の手に、安々と身を横たえたくなって来たらしい。眠たげなつかれを顔色に漂わせた。そして急に、

「時に。……紋太夫」

と、話題をとばした。

「いい忘れていたが、昨年、そちの手から贈ってくれた献上の名花は、においといい、色といい、稀な名花には違いないが、ただひとつ、困った癖がある。あれには、ほとほと困じておるが」

「名花? ……。あ、あの、てまえよりさしあげた女子、お蕗のことを仰せられますので」

「そうじゃ。当館へ将軍家のお成りを仰ぐたび、歌舞にお給仕に、何かのお目なぐさみにもと、年来、眉目麗わしいものは召抱えて来たが、さてさて天下にすくないのは美人であった。わけて将軍家には、大奥の花にも見飽いてもおられようし、その眼にかなう程なとなると、容易ではない。