Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lisez 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 260 caractères · 418 écrans

Aozora Bunko

主人公は、破れ畳のうえに、眼も唇も流して眠っていた。毛脛の端に西日がさしている。感心なことには、昼寝の枕にも、書物を重ね、大きな刀をわが子のように抱いて寝ている。

「まだ起きるのは嫌かい」

自分の息子でも呼ぶように、おかみさんは側へ坐った。前垂れを被せて持って来たのは、刺身の出前ではなかった。お重につめた赤飯と煮しめである。

(どこへ置こう?)

と、茶箪笥ひとつない家のなかを見まわしていると、もう縁がわに猫が来て眼をすえていた。

「しいッ」

猫が下へ跳ぶと、又四郎は大きな眼をして、

「おばさんか。――う、うっ。ああいいところへ来てくれた。水を一ぱいくれないか。汲み立ての冷たいのが欲しいな」

と伸びをする、眼をこする、なかなか体は起こさない。

「お祭だからいいけれど、あんまり飲むと、体をこわすよ又さん。――おまえさんだけは毎日お祭なんだからね」

うしろへ廻って、大きな体を押し起してやる。又四郎は、やっと坐って、

「よく寝たなあ」

「寝られるはずさ、蝙蝠なんだもの」

「晩になると出かけるか――。あははは」

「笑い事じゃないよ、おまえさんは」

「うるさいな、おふくろみたいに」