Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろきちこうし

治郎吉格子 名作短編集(一)

吉川 英治

Lisez 治郎吉格子 名作短編集(一) (じろきちこうし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 178 609 caractères · 362 écrans

Aozora Bunko

「だが、不思議だなあ」

もう寝たのかと思っていた由造が、突然、尻ッ尾の方で唸っていた。

「勝ち負けはとにかく、それで生きてるっていうのが余っ程不思議だよ、何しろそいつは、ただの人間じゃねえぜ」

それ以来左次郎は、醤油賭の話ばかり耳にしていた。で、方々へ仕事に出る度に、それとなく伝公の姿を物色する程になっていたが、まだ、一度も見かけたことはない。

浜町の砂利場へ廻されて来た日だった。

ここの仕事は荒っぽいので日傭でも肩肉の盛り上がってるのが揃っている。

で、常に仕事先を庇っている亀親方が、左次郎だけは、わざとここへ廻さないようにしていたが、ほかの出先が途切れたので、しばらく辛抱してくれという話だった。

二の丸のお城普請へ行く玉川砂利をこの河岸で上げる。

小普請の役人が、床几に掛って見張っていた。

砂利場使いのパイスケ二百本串が一人前の仕事。舟から河岸へ一荷ごとに担いでゆく度、小頭から竹箆一本ずつ渡されて、それが夕方の勘定高になる。

体のいいのは一人半も串数を稼ぐ。

腕っこきという帳場だから、みんなわき目もふらない。

汗をダクダクしぼって、砂利の音、足どり、掛声、すべて一種の調子に乗ってくる。