Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
Lisez 花も刀も (はなもかたなも) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 364 caractères · 178 écrans
四
住居へ戻ると、幹太郎はすぐに荷物を纒めにかかった。すると、白川久三郎が来て「本邸から平手先生の代りが来るというのは、なにかの間違いでしょう」と云った。
「私は柴田さんから聞いたんだ」
「それは違います」と久三郎は云った、「代りには佐藤市郎兵衛どのが復任するそうですよ」
「佐藤――」と云って、幹太郎は振返った。
四
佐藤市郎兵衛は、幹太郎の前任者で、幹太郎は彼に代って師範になったものであった。
幹太郎が任命されたのは、菱川なにがしの出来事が、一つのきっかけになったけれども、市郎兵衛が老齢で、すでに師範の役を充分にはたせなくなっていた、ということのほうが、もっと直接な理由であった。
――その市郎兵衛が復任する。
師範の役がはたせない、と認められて解任された者が、どうしてまた復任するのか。
「これで事情は御想像がつくと思います」と、白川久三郎は云った、「もっと早くわかっていれば、われわれにも、なんとか手段があったでしょうけれど」
「では、佐藤どのの告げ口か」
「富原さんとは昵懇のようですから」
幹太郎は頷いて「わかった」と云った。
いい年をして、ひとの私生活を嗅ぎまわったり、それを密告したりするとはひどい人だ。