Classiques japonais avec furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lisez 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 414 caractères · 289 écrans
やがて普請が出来上ると祝宴の席でわたしは主人を始め招かれた芸人たちにも勧められ辞退しかねて「彩牋堂の記」なるものを起草した。それのみならず薗八節新曲の起稿をも依頼される事になった。
その翌日からわたしは早速新曲の資材となるべき事蹟を求めたいと例の『燕石十種』を始めとして国書刊行会飜刻本の中に蒐集された旧記随筆をあさり初めた。そしてこれはと思う事蹟伝説が見当ったならすぐにも筆を執る事ができるように毎夜枕元に燈火を引寄せ「松の葉」を始め「色竹蘭曲集」「都羽二重」「十寸見要集」のたぐいを読み返した。その頃わたしには江戸戯作者のするようなこうした事が興味あるのみならずまた甚意義ある事に思われていたので既に書かけていた長篇小説の稿をも惜まず中途にしてよしてしまった。二葉亭四迷出でて以来殆ど現代小説の定形の如くなった言文一致体の修辞法は七五調をなした江戸風詞曲の述作には害をなすものと思ったからである。このであるという文体についてはわたしは今日なお古人の文を読み返した後など殊に不快の感を禁じ得ないノデアル。わたしはどうかしてこの野卑蕪雑なデアルの文体を排棄しようと思いながら多年の陋習遂に改むるによしなく空しく紅葉一葉の如き文才なきを歎じている次第であるノデアル。