Classiques japonais avec furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lisez 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 414 caractères · 289 écrans
十二
お千代は金が手に入ったとなると、一刻も早く娘らしく思われる女の消息が知りたくてならないのであった。幸にも十二時近くになって銀座の方に火事があったので、杉村は急に帰仕度をした。
十二
いつも退屈で困っていた重吉は、その夜お千代から相談をかけられて話をきめると、俄に用事が多くなって、身体が二つあっても足りないような心持になった。用事の第一はお千代の身を禿頭の囲者にするためには、急に家を捜して、今日引越したばかりの貸間を引上げる事、それと共に妾宅の最寄りに自分の身を隠すべき貸間をも同時に捜さねばならぬ事である。また一ツは松岡という老婆と女たちの大勢拘留せられた警察署へ往って、深沢という女が果してお千代の娘であるか否かを確めた後貰下げの手続をする事である。
妾宅の方は新聞の広告で思ったよりはたやすく捜すことが出来たが、他の用事はなかなか面倒で即座には運びがつかない。重吉が警察署へ出頭した時には深沢という女は既に放免せられた後であった。しかしその女の原籍から推察してお千代の私生児である事だけは確められたものの、それと共に不審の生じたのは、養女にやったものの籍が、その後書替えられていないと見えて、今もって出生の時のままお千代の児になっているらしい事であった。