Classiques japonais avec furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lisez 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 414 caractères · 289 écrans
二
それにつれて、女の身の何かにつけて心細い気のする時、いかに不甲斐なくとも、誰か一人亭主と定めた男を持ち、生活の伴侶にして置きたいという心持にもなるのであろう――まずこんなように解釈するより外にその道がない。
牛乳の煮立つのに心づき男は小鍋を卸してコップにうつすと、女は丁度化粧を終り紫地に飛模様の一枚小袖に着換えて縫のある名古屋帯をしめ、梔子色の綾織金紗の羽織を襲ねて白い肩掛に真赤なハンドバックを持ち、もう一度顔を直すつもりで鏡の前に坐った。
二
お千代の出て行った後、重吉は飲み残りの牛乳と半熟の※(「奚+隹」、第3水準1-93-66)卵に朝昼を兼ねた食事をすませ窓をあけて夜具を畳んでいると、表二階を借りている伊東さんというカフェーの女給が襟垢と白粉とでべたべたになった素袷の寐衣に羽織を引かけ、廊下から内を覗いて、
「中島さん……。あら、奥さんはもうお出掛けなの。」
「何か御用。」と中島は窓へ腰をかける。
「先ほどはすみません。おやすみのところを……。」と出入口の襖に身をよせ掛け、「封筒の上書をかいて下さいな。すみませんけれど、男の手でないといけないんだから。