Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans
「飯も」
「いくら食ッても、おれのふところ勘定は同じだ。たらふく詰め込んどいた方がいいぞ」
二人は馬道の馬子茶屋へはいっていた。濁り酒が名物だった。肴や汁をとりちらして、大亀は、市十郎へ、やたらにすすめた。
「アア、温ッたまった。じゃあ、出ようか」
ちょうど灯ともし頃となり、吉原通いの客や駕籠屋が混み初めて来た。大亀は、市十郎の耳へ、囁いた。
「――おめえは、先へ出て、二天門の前で待っていてくれ。後から行くから」
市十郎は、先に出て、二天門で待っていた。――と、間もなく、ばたばたと大亀の影が駈けて来て、
「それ、逃げろ」
と、市十郎を突きとばした。何の事かも、わけが分らず、市十郎は、大亀と一緒に逃げ走った。やがて大亀は、暗い町筋を振りかえって、
「もういい。於市、もう追ッ駈けて来ねえようだ。食い逃げも楽じゃあねえな」
と、胸をさすった。
だが、市十郎は、せっかくの胃の物を、ゲッゲッと、路傍の溝へ吐いていた。空腹の急変と、余り駈けたので、胃ぶくろが、どうかしたとみえる。
「世話のやける男だなア」
大亀は、うしろへ廻って、市十郎の背をさすってやりながら……「ええ、勿体ねえ。