Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans
市十郎も、家出以来、きょうまでのことを――語り難いお袖のことも、お島のことも、それからの自堕落も、今は兄への謝罪として、つつまず話した。
けれど、彼の真摯な懺悔にも似ず、年暮のうちの幾日かの話には、つじつまの合わない箇所が多かった。
彼にいわせると、決して、つつみ隠すのではなく、まだ、本当の自分に立ち回っていないのか、どうしても、所々の行為が、われながら思い出しきれないのだというのである。
そして、最後に、彼はいった。
「今は、いささか自分に返っておりまする。決して、取り乱して申すのではございませぬ。お慈悲をもって、兄上にも、上人にも、私をここでお見放し下さい。――さき程、恥をしのんでお話し申したお島の家を出たときの気持は、ひと目、兄上におあいして、罪をお詫びし、その足で、大岡家の菩提寺、相模堤村の浄見寺へまいり、祖先のお墓のまえで、割腹して果てるつもりであったのです。……私は、直ちに、これから浄見寺に行きまする。おわかれを、おゆるし下さいまし」
主殿は、久しぶりに、弟らしい弟を見て、思わず、熱い眼をそむけた。
この弟のために、叔父兵九郎は切腹した。