Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans

Aozora Bunko

「俺は、思いのほか、浅傷だったので、ひと月も経つと、もとの体に回ったが、何しろ、おめえの傷は、場所がわるい」

「でもなあ、由。あれが、女の力だったから、これくらいですんだが、男の腕でやられていたら、その場で、命はなかったろうッて、お医者がいった。……欲には限りがねえよ。日ごろ正直に勤めていたので、神さまが、お助け下すッたものだと俺あ思ってなあ――寝床の中にいるうちに、この頃おれは、すっかり信心家になったよ」

話しこんでいると、その時、たれか番屋の裏を、通り抜けたような気配がした。

「おや? ……由。どうもおかしいぜ。ちょっと、裏を廻ってみな」

「脅しちゃいやだぜ。……どうもあれ以来、臆病ぐせがついちまった」

「おめえの臆病は、この頃のことじゃアあるめえに」

「だが、あんな目に遭えば、誰だって、当分、オジ気は直るもんか。ああ、はやく番太稼業なぞは、やめてえもんだ」

やっと腰をあげて、土間の隅から六尺棒を手に持った。そして、油障子を開け、外へ、顔を出したと思うと――どうしたのか、由蔵は、ぶるッと、胸をふるわせて、そのままそこに、声をのんで、自失してしまった。

すぐ目と鼻の先の橋のたもとに、黒い人影を見たのだった。