Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans

Aozora Bunko

そこに、半身見えるのは、たしかに越前守その人にちがいない。そして、前の机をへだて、それに対して、きちんと、坐っているのは、お燕であった。

机の上には、書物が置かれてある。越前守は、お燕に、その読みと、意味とを、講義していた。寺小屋の先生が、幼い子どもに、教えているように。

お袖は、ひと足、ひと足、いつか、窓のすぐ外まで、身を寄せていた。

「……よし、よし。もう読めて来たな。どうじゃお燕、わかり出して来ると、書物を習ぶということは、おもしろかろうが」

「ええ。この頃になって、やっと、楽しいものになって参りました。初めは、どうしても、頭にはいらなくって」

「そうだろう。そなたは、寺小屋の子も読むような、やさしい往来物一つすら、読めなんだ」

「文字というものを、読む気で見たのは、生れて初めてでしたから」

「いまから、生れたと思えばよい。越前も、古典はあまり詳しゅうないから、やがて、源氏物語でも読むようになったら、たれぞよい師をさがしてやろう」

「いいえ。私は、いつまでも、お父さまを、お師匠さまにしていとうございます」

「はははは。そなたは、どこかまだ、ほんとうに、生れたての赤児のようなところがあるよ。