Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans

Aozora Bunko

恥をつつむ破れ編笠も、自分だけには、恥でない気がした。すれ草履の足もとを、霰もつ風に吹きなぐられても、お袖に似たうしろ姿を、ふと人なかに見つけたときは、胸のうちが花火のようにどきと鳴った。走り寄って、人違いと知った後にも、甘い感傷がかなしくのこり、人知れず、自分を、恋の詩人にしていた。

――だが、お袖の行方は杳としてわからない。心あたりをそれとなく問い歩いても、生死すら知れないのである。そして現実は、ふたりの前に、今夜の糧と寝床をどうするか。がんぜないお燕を飢え死なすか、捨て児か。冷酷な決意をたえず強いてやまない。

「アア、良い印籠だなあ。――あの印籠一ツあれやあ」

久助は、前へ行く美少年の腰に気をとられていた。長身で色白な人だった。粗服だが、どこか気稟の高い風が見える。髪から顎へ、紫の布を頭巾結びにたらりとつつみ、革袴、新しい草履、ゆったりした歩様で行く。

芝居小屋の多い堺町に近い抜け道――

から風に鳴る幾すじもの小屋幟の音が耳につき出した。曲がり角まで出るに手間どるほど、そこらからもう雑鬧の雑音につつまれ初める。――と思ううち、いつのまにか、市十郎のそばを離れていた久助が、