Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
まつのやろはち
松のや露八
吉川 英治
Lisez 松のや露八 (まつのやろはち) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 597 caractères · 253 écrans
露八は、ただ恐れ入ったように畏まっている。ワサビ蒲鉾に、銚子を取って、小五郎と半平太は、飲みはじめた。
「お菊、おまえの愛人だというその坊主をひとつ、紹介せんではいかん」
「はい」
お菊ちゃんは悪びれずに、
「露八さんです」
「鬘など被っていたが、一体、その化物は、何を職業にしているのか」
「幇間です」
「幇間か」
と、二人は、顔を見合って、哄笑した。露八は、むっと、不平な色を見せたが、お菊ちゃんに、眼で宥められて、黙っていた。
お菊ちゃんは、半平太へ、銚子の口を向けながら、
「あなた方、どちらも、土佐の武市だとか、長州の桂だとか、志士の、熊のと、威張ったことをおっしゃって、幇間を斬るなんて、おかしいじゃありませんか。江戸には、そんな侍はおりませんよ」
「志士の、熊の、は酷すぎるぞ」
武市は笑って、
「江戸の男は、怖くないが、江戸女には、降参じゃ。……坊主、一献、親懇に参ろう」
「露八さん、お飲み」
お菊ちゃんは、自分は杯へ手も触れないくせに、人へ酌すのは好きだった。酔うと、武市は嗜む古詩を微吟し、桂は、即興の都々逸を作って見せたりした。
二人はまた、お菊ちゃんに笛を所望したけれど、お菊ちゃんは、蕎麦屋の二階などでは吹かないという権識で、話題を外らした。