Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

Lisez 松のや露八 (まつのやろはち) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 597 caractères · 253 écrans

Aozora Bunko

石ころだの、水溜りだの、凍っている足袋の先が痛い。夜更けまで彼は荻江節を流して歩いた。

「乞食も、三日すると忘られねえというが、ご方便なものだなあ」

露八はしみじみとそう思う。

三味線一挺あれば、孤身を養うにはことも欠かないし、身を切るような夜風にふき曝されても、撥を飯の種と思って張をこめれば、寒さなどは忘れている。

それと、この自由な境涯はどうだ。大名も知らず斧四郎旦那のような金持ちでも知らないものだろう。磧から見る木屋町の灯は、木屋町から見る磧よりは美しい。芸妓の酌で置炬燵も遊びの味なら、みぞれ雲に撥の冴えを響かせて、名利や殺刃や術策や、修羅風雲の流相をよそに、こうして磧の夜霜から、およそ人間のすること、いたされることを、その圏外から冷静に見ているという身分も、ちょっと贅沢でおつな生きている身の味ではあるまいか。

露八は、そう理届をつけて、第一に、こうしている分には、世間様の邪魔にもならないし、と思った。

「流しさん――」

茶屋の二階からやがて呼びがかかる。

露八は、仰向いた。仲居らしい女の影が、欄に見えたと思うとすぐ消えた。するとまた、階下の木戸に見えて、