Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなもかたなも

花も刀も

山本 周五郎

Lisez 花も刀も (はなもかたなも) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 364 caractères · 178 écrans

Aozora Bunko

幹太郎は唇を噛んだ。

「野口のばあい、女が悪いと云うことに間違いはない、誰でも知っていることだ」と、頼母は云った、「だが、彼は男であり、侍だ、誘惑したのは女だという条件を楯に、責任を女にかぶせるようなことは、彼が男であり、侍である以上できないだろうと思う」

幹太郎は頷いた。そして「わかりました」と云った。頼母は調子を変えて「これはよけいな差出口かもしれないが」と云った。

「千葉先生が、そこもとの稽古を見て、非凡な質だと褒めておられた、もし、そのつもりがあるならお玉ヶ池を訪ねてみてはどうか」

「はあ――」と、幹太郎は頭を垂れた。

頼母はなお、なにか云おうとするふうだったが、頭を振って、「自分で役に立つことがあったら相談にのろう、困ったことがあったら云って来るように」と云った。

幹太郎は、礼を述べて立った。

彼は、頼母の言葉に、深く感動した。人間は条件に左右されてはならない、師範の地位にとどまろうと解任されようと、自分の本質には無関係である。そうだ、と幹太郎は思った。たしかにこんな事は重大ではないし、お豊のために、こうなったと思うのもみれんだ。

――千葉先生が非凡だと云われたそうではないか。